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だんたいしょうかい

団体紹介

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災害・犯罪等からの安全・安心

一般社団法人京都造園建設業協会

庭づくりは街づくり。伝統に裏付けられた技術で持続可能な緑環境の向上

 一般社団法人京都造園建設業協会は、公園緑地・街路樹等の整備、特に造園修景に関する経験と、京都の伝統に裏付けられた技術によって、社会の街造りに貢献されています。樹木の剪定、庭の作庭に加え、緑化技術の向上のための技術者育成、京都市・環境省との連携による災害時の対応まで、まちの景観保全・安全のために尽力されています。

伝統に裏付けられた「風圧軽減型景観剪定」の技術

「風圧軽減型景観剪定」とは?

 平成は災害の時代と呼ばれ、京都も様々な形で被害を受けてきました。特に台風等による強風は、管理が行き届いていない樹木を倒してしまう被害を起こします。
 倒木や落下枝の原因である枝葉が密集している樹冠を手入れすることで、そのリスクを低減させることができます。
 京都では伝統的に透かし剪定が主に用いられています。シルエットを整えつつ成長しすぎた枝葉を落とし、風通しを良くすることで風圧を逃すことができます。丸や四角など、完全な輪郭に切りそろえる刈り込みと異なり、全体の印象を大きく変えすぎないことも特徴です。
 さらに樹種や環境に応じた適正な小型化を組み合わせることで、風圧を軽減し、より環境に調和した景観を作り出す技法が風圧軽減型景観剪定です。
 日々の生活に寄り添う京都の木々には安全で美しい技術が使われているのです。

技術を展示公開!京都府庁旧本館前のヒマラヤスギ

 同団体は、京都の街の木々をボランティアで剪定し、街の景観を整え安全性を高める活動をされています。
 街路樹や公園など多岐にわたる活動範囲の中、京都府庁旧本館前のヒマラヤスギの剪定の様子をご紹介します。
 一際大きく目立つこのヒマラヤスギは、2013年より毎年剪定してきました。2020年度は情勢の影響で中止も検討されましたが、放置すると危険な状態には変わりありませんので、今年も剪定することになりました。

 剪定は約4時間程度の時間を要しました。
 旧本館前の中心を飾る堂々とした印象の立ち姿をしっかりと残しつつも、枝や葉の隙間ができ、もっさりとしたシルエットがすっきりとしていくのがわかります。

ただ「枝を切る」だけでは造園業は務まらない

 造園業とは、もちろん枝を短くするだけの仕事ではありません。文字通り、庭や街並みを「造る」仕事です。

日々の生活に緑を

 季節によって様々な表情を見せる京都の街の街路樹は、美しく紅葉する種類の木が多く選ばれています。落ち葉を嫌って紅葉する前に枝を全て落としてしまう方法もありますが、京都では人々が紅葉を楽しめるように様々な手法や計画を立てて街の緑を守っています。
 同団体では「公園樹管理士」という独自の資格を立ち上げ、より街の景観を調和した美しい緑を保つ技術者の普及に努めています。この資格は近日中にも全国に展開される予定になっており、更なる普及が期待されます。
京都府庁旧本館前や公園のような広い空間、街路樹、京町家のお庭のような限られた空間など、様々な環境や条件のもと、それぞれの良さを最大限に発揮された癒しの空間に注目するとより楽しく自然を感じられそうです。

生活に寄り添う緑だからこそ、正確な防災を

 緑を楽しみ心を癒してくれる最も身近な緑であるからこそ、災害対策はより正確に施工する必要があります。暴風で木が倒れないように、葉の間を風が通り
抜け、しかも美しい景観を整える剪定技術は私たちの腕の見せ所です。京都の造園技術が京都の街の緑の安全と風景を守っています。

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 木々を整え、街の景観がより美しくなると、街の人から「ありがとう」と声をかけてもらえることがあるそうです。常に暮らしと一体となっている仕事であるからこそ、日々の暮らしの中で少しでも緑を目にしていただき、「良かった」「潤った」と感じていただけることが何よりの喜びだとおっしゃいます。
 外国人観光客も多く訪れる日本の、特に京都という魅力溢れる都市の緑を守っているというプライドを持って活動をされています。